介護予防~認知症予防 後半~

今日は認知症予防(対策)後半です。

認知症予防には現在四つの方法があります。それは・・・

運動 知的活動 昼寝 適度な飲酒  です。

[飲酒]は、嬉しい言葉ですね!

それぞれご説明いたしますと、

  • 1週間に一回でも30分くらいの早歩き(有酸素運動)は有効です。

(参考例)

1997年度の一日平均歩数

男性 5400歩 女性 4600歩

2002年度の一日平均歩数

男性 4700歩 女性 4300歩

さらに、運動をするためには栄養をしっかりとらなければいけません。

三食正しく、種類多く、バランス良い食事も有効です。特に以下のような

  • 青魚に多く含まれているEPA,DHA(生魚もしくは缶詰でもOK)
  • ビタミンC・・・アセロラ、レモン、レバー、レンコン、ピーナッツ
  • ビタミンE・・・アボガド、玄米、ニラ、ほうれん草、サバ、サンマ
  • βカロテン・・・ねぎ、オクラ、ししとう、青梗菜、ニラ、パセリ
  • ポリフェノール・・・赤ワイン、ブドウジュース等

が関係していることがわかってきており、毎日魚を食べるとアルツハイマー型認知症の危険が1/5になるという報告があります

  • 知的活動(頭を使う活動)の例ですが、

文章を読む、楽器を演奏する、ダンスをする、外出が多い=人と多く会う

旅行の計画を立てる、料理をする、パソコンをする、将棋、マージャンをする、囲碁、園芸をする、二日前の日記を書く、レシートを見ないで家計簿をつける・・・等

  • 一日30分以内の昼寝は認知症発症を1/5に低下させる可能性もあります。
  • 適度な飲酒も1/4まで認知症発症を低下させるという報告もあります。これは赤ワインですが、一日3杯。脳の血行・代謝を上げるといわれております(フランスの報告)。※一年で二回以上酔いつぶれるひとは発症率が10倍になるといわれておりますので、飲酒はくれぐれも適量に・・・。

 

こういった活動をしない人はする人よりも発症リスクが上がります。新しいことにチャレンジして脳を刺激することが大事です。文字を読んだりおしゃべりをすることが一番良いとされております。孤立しがちな人(例:一人暮らしの高齢者は8倍リスクがあります)は認知症の危険性が高くなってしまいます。

閉じこもりがちな人は、非閉じこもりの人と比べて3倍認知症になりやすく、4倍予後が悪いです。

その他にも、運動をしない人、偏食の人、文字を読まない人、頭を使う趣味がない人、喫煙者、ストレスをためている人、肥満の人は、特に高齢になった時、アルツハイマー型認知症が発症しやすいと言われています。

簡単な認知症チェック(ご参考)

❶MMSE検査(Mini Mental State Examination)

紙とペンをご用意ください。

簡単な質問を四ついたします(●は認知症患者さんの特徴です)。

  • 「ここは何県ですか?」「ここは何区ですか?」

「ここの名前は何ですか?」「ここは何階ですか?」

「ここは何地方ですか?」「今日は何月何日ですか?」

  • 認知症患者は、正確に答えられない、もしくは主に自分が人生で一番輝いていた時の名前を答えたりします。

 

② 以下の単語を覚えてください(何でもいいですが三種類ほど)

「さくら ねこ 電車」

後でもう一度聞きます。

100から7を順番に引いて行ってください。

  • 認知症患者は93からできなくなります。さらに周りのアドバイスに対しても否定的になります。

 

③以下の文章「目を閉じてください」を紙に書いて患者さんに見せて下さい。

  • 認知症患者は、指示に従うことができず、不安になりすぐに目を開けてしまいます。

 

④以下の図形(五角形又は時計)を書いていただきます。

  • 認知症患者は、五角形が正確に書けません。空間認知能力が障害されるためです。
軽度認知障害(MCI)

記憶力や判断力など認知機能は低下しているが、日常生活は送れる状態。最近

の研究で3~4年後に5~7割の人が認知症に進行しております。

 

一方、四割程度が五年後に正常な認知機能に回復したとの報告もあります。

筑波大の朝田教授は「認知症への関心が高まり、MCIと診断される人も増えてきたが、介護が必要になるまで数年ある。その間、不安で引きこもり、症

状が悪化する人も多い」と指摘。そうした人の居場所を作ると同時に「確実な予防法はまだないが、早い段階から、認知症に進行させない支援方法を考え、

検証したい」と話しております。

 

もし認知症の発症を五年遅らせることができたら、本人の生活の質の向上や家族の負担減に加え、数兆円規模の社会負担の軽減につながります。

認知症予防=介護予防には、こうした大きな社会的意義があるのです。

コラム1 若年性アルツハイマー型認知症について

主に40~65歳未満の間で発症する病気です。主な例として

・家に帰る道がわからない、帰れない。

・布団の敷き方がわからない

など、「家に帰りたい」「寝たい」等の意識ははっきりしているが、「方法」がわからなくなります。

現実を受け入れられず、発見が遅れることもしばしば。さらにイライラしたり、

パニック状態になりやすいです。

症状は「忘れる」だけではなく、「幻想」「妄想」「嫉妬」等多岐にわたります。

初期症状として

頭痛・めまい・不眠・不安感・自発性の低下・うつ状態があり、

「以前より自己中心的になる」「頑固になる」「他人への配慮が低下する」等

の特徴もあります。この病気は早期発見がカギになります。少しでも疑いのある場合はお早めに受診してください。

❷ 3年前と比較して次のような症状がよくみられるようになっていないか、または次のような症状のために日常生活に支障をきたしていないかチェックしてみてください。

1. 今日の日付が思い出せない
2. 通い慣れた道なのに迷うことがある
3. 使い慣れている道具の使い方がわからない
4. 簡単な計算に手間取ったり、間違えたりする
5. 親しい人との付き合いが減り、外出しなくなる
6. 料理や洗濯など、段取りが必要なことができない
7. 鍋を焦がしたり、ガスの火を消し忘れる
8. 知っているはずの物の名前や、言葉がうまく出てこない
9. イライラしたり、不安が強くなるなど、情緒が不安定
10. 前に買ったことを忘れ、同じ物をたびたび買ってしまう
11. 同じことを何度も尋ねたり、話したりする
12. お風呂に入るのを嫌がり、身だしなみがだらしなくなる
13. 置き忘れやしまい忘れが目立つ
14. 待ち合わせの時間や場所をよくまちがえる
15. 趣味や楽しみに対する関心がなくなる

 

いかがでしたか?一つ以上当てはまるものがあるようでしたら一度専門の方にご相談されてみてはいかがでしょうか?

  • このチェックはあくまでも参考ですので、認知症診断の決め手となるものではありません。

この結果如何にかかわらず、少しでも不安に感じることがありましたら、専門医にご相談することをお勧めいたします。

歌を通じて脳を活性化

最近、各施設で「ふるさと」や「赤とんぼ」など懐かしい歌を皆さんで歌っている光景をよくみかけます。

歌うことで、脳を活性化する可能性が注目されているからです。

歌うということは

・歌詞を目で追う⇒次にする行動を考える

・声に出して歌う⇒口・した・肺・腹筋の運動、ストレス解消

・昔の歌を歌う⇒昔の記憶を思い出す

など、身体と脳に刺激を与えることができるのです(東北福祉大の調査)。

結果としてQOL(生活の質)や健康状態の向上につながる可能性が大きいです。認知症の疑いがある可能性が2割も減ったデータもあります。

ノルウェーやスウェーデンではすでにこういった取り組みは行われており、アメリカでは医療行為となっております。

「認知症」に似た症状

最近物忘れがひどくなった。今何をしていたんだっけ?・・・「もしかして、私は認知症?」と感じたことはございますか?

★もしかしたら、それは認知症ではなく「てんかん」かもしれません。「てんかん」というと、「子供がけいれんして口から泡をふく」イメージがありますが、高齢者の方も症状の少ないてんかんというのがあります。

てんかんというのは脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動であり、脳卒中や頭部外傷などの状態に光刺激やストレス、ホルモンの影響を受けておこるものです。

認知症との違いは、数秒記憶が途絶える(※発作中も活動している)記憶発作があることです。

悩む場合は病院で脳波をとるとわかります。てんかんに特有な波形があるためです。もしてんかんだった場合は薬で回復することができます。

 

★睡眠薬の副作用と症状が似ている場合もあります。医学的にいうと認知症にはならないといわれております。ただ、睡眠薬の効果が強すぎると認知症と似た症状(記憶障害など)を起こすことがあります。さらに睡眠薬を服用することで興奮してしまい、それを認知症とおもってしまうこともあるらしいです。

 

★他、以下の傷病も認知症・うつ等と症状が似ておりますが、治るものです。

 

☆慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)

長い飲酒歴がある方、もしくは(軽くても)頭を打った後、1週間から2,3か月後に発症→脳外科へ

 

☆正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)

50~60代に多い。髄液が脳を圧迫してしまう。脳脊髄液を良くする手術を。

 

☆甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)

甲状腺ホルモンの低下=橋本病

脈が遅く、行動も鈍化→ホルモンの薬

認知症と決めつける前に、一度医療機関にご相談なさってはいかがでしょうか。

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